Vol.17
どっちがいいの?
よくマネジメントの本などでは、「相手を褒めろ」という事が書いてあるのですが、褒め方にも少し工夫が要ります。もし、あなたが誰かを褒めて伸ばしたいと考えた場合、どちらの言葉が良いと思いますか?
A)こんな難しい仕事を数日でやり遂げるなんて、天才だね!頭いいね!
B)こんな難しい仕事を数日でやり遂げるなんて、一生懸命やったんだね!努力家だね!
「褒める」という観点からは、どちらも正解です。相手にプラスの影響を与えるという意味では、どちらも正解です。
ですが、「個人の能力を伸ばす」という観点からは「B」が正解です。ある実験が行われました。試験でまったく同じ点数だった子ども達を2グループに分けました。一方のグループには
「すごい!10問中8問も正解している!天才だね。頭いいんだね」と言う言葉で知能の高さを褒めました。もう一方のグループには「すごい!10問中8問も正解している!努力家だね。一生懸命やったんだね」と取組みぶりを褒めたそうです。
知能の高さを褒めたグループに、「もっとレベルの高い問題をやって」と言うとテストを受けるのを嫌がり、受けた後も成績を偽ったりしました。
取組みぶりを褒めたグループはもっと上のレベルのテストを受けるのを進んでやり点数も素直に教えたそうです。
A)の言い方は「固定思考」(自らの間違いを認めにくくなる、柔軟性が乏しい)に陥りやすく、B)の言い方は「成長思考」(柔軟な思考ができる)になりやすいです。
簡単に言うと、A)の言い方は「天才だから間違いは許されない」と考え、B)のいい方は「自分が努力すれば何とかなるかもしれない」という考えになりやすいのです。
誰かを成長させたいと思った時は「才能」より「努力」を認めてあげる方が、その人の結果をよりよいものにする事ができます。