Vol.2
セルフケア(自分で行うメンタルケア)について(1)
カウンセリングルーム たいようでは、個人のお悩み相談はもちろん、職場のメンタルヘルス対策を実施、推進している職場におけるストレス要因(ストレッサー)は何故、増加しているのか?
最近では、ストレスの増加が原因のいわゆる「荒れる職場」が問題視されています。イライラしている上司・同僚が多い、社内で怒号が飛び交う、イジメ・セクハラ・パワハラがあるなど、最悪な環境の職場が増加しています。厚生労働省の調査では、「職場に強い不安、悩み、ストレスがある」人の割合は、男性では、65%以上にのぼっています。では、何が職場のストレス要因となっているのか?以下のものが、職場におけるストレス要因と考えられます。
【1】職場の人間関係の希薄化
職場の人間関係で、ストレスを感じるのは、今も昔も変わりませんが、最近では、職場の対話が減り、人間関係が希薄化しているのもストレス要因になっています。
【2】仕事の質・量の問題
最近は、人員削減などにより、仕事の負担が増加し、一人で多くの仕事を抱え込んでいる方が増加しています。また、裁量が少ない割に責任が求められる仕事状況がストレス要因となっています。
【3】成果主義的な人事・評価制度の導入
成果主義の前提である「客観的評価」に失敗している企業も少なくなく、評価に不満を募らせる社員も少なくありません。
【4】将来への不安と不確実性
終身雇用制度の崩壊や非正規雇用の増加により、会社や自分の将来に対して不安が広がっています。
【5】ミスを許さない時代と環境
最近では、あらゆる業種に「ミスを許さない」不寛容な風潮が広がっています。その割には、社員研修の短縮等、職場の教育体制が不十分な企業も多いようです。
職場には、各々の労働者では改善しにくいストレス要因が数多く存在しています。しかし、だからといって、自分自身によるストレス軽減を目指すセルフケアは不可欠です。(セルフケア=各々、自分のメンタルヘルス(心の健康)の状態を管理する必要があります。)
また、セルフケアに関する事業者側の視点で、事業者はストレスへの気づき方、ストレスへの対処法、相談等の仕方の働く人への情報提供を行うことが必要です。